名取佐和子著 文庫旅館で待つ本は
戦前から続く海辺の老舗旅館凧屋の名物は
様々な古書を収めた文庫=図書のコレクション
少しばかり”鼻が利きすぎ”な若女将がおすすめしてくれる
「お客様と同じにおい」をまとった文豪たちの
小説が訪れる人の、人生を揺らす。
引用元 筑摩書房 名取佐和子著 文庫旅館で待つ本は 帯より
1冊目 川端康成 「むすめごころ」
幼馴染3人で凧屋に訪れた主人公に紹介された本は、
川端康成「むすめごころ」
3人の関係性が変わっていくのを「むすめごころ」を通して主人公は自分の気持ちに気づいていく
普通が一番?
普通って何だろう?
私たちは皆、普通というものに、縛られているのではないか?
知らない間に、他と比べ 平均値を探り安心する
謙遜したり、虚勢を張ったりしながら、普通のフリをし自分を偽る
自分の普通、そして他者の普通も尊重できるようになりたい
2冊目 横山利一 「春は馬車に乗って」
夫婦で凧屋に訪れた主人公
夫が体調を崩し、一人の時間を得る
若女将が紹介した本は横山利一「春は馬車に乗って」
一人の時間を過ごしながら、自分に向き合う
自分が本当は何が好きなのかわからない人はたくさんいると思う。
心に制限をし、満たされない心を物や他人で埋めようとする
本当は自分を心から愛し、ちゃんと向き合えばいいけれど、
やり方がわからない。
他人に合わせることを続けていると、自分が何が好きで、何をしたいのかわからなくなってくる
そんな自分にすら気づけない
3冊目 志賀直哉 「小僧の神様」
亡くなった妹の子を養子に迎え、シングルマザーとして仕事を掛け持ちしている主人公
息子は少し問題があり、見えないものが見える子
息子との付き合い方に迷いのある主人公に紹介されたのは、志賀直哉「小僧の神様」
自分の目
みんなと答えが一緒だと安心する
生き方、感じ方
違う意見に流されやすい
自分に自信がない
自分の目を磨くことは、自分を信じるということ
まだまだだな
4冊目 芥川龍之介 「藪の中」
父親の経営する塾でアルバイトをする主人公
塾の卒業旅行で4人の生徒を引率して凧屋に訪れる
思春期の生徒たちの扱い方に迷いながら、答えを模索する。
紹介された本は芥川龍之介「藪の中」
私が他人につけたたくさんのハッシュタグ#
同じようにみんな他人にハッシュタグをつけている
一度そのハッシュタグがついてしまうと、なかなか取ることができない
それは見方を狭め、生きづらくしているのではないか?
5冊目 夏目漱石「こころ」
1冊目の主人公が父親と一緒に凧屋を再訪します。主人公は父親
主人公の父親が持ってきたものは夏目漱石の「こころ」だった
その経緯と過去の過ちが明かされる。
主人公と凧屋の先先代の関係と夏目漱石の「こころ」
誰かのせいにして、責めてばかりいた自分
それをしっかり掴んで離そうとしなかった自分
責めていた自分がそれに縛られ
動けずにいる
そんな自分を赦し、手放そう
まとめ
迷った時、落ち込んだ時、「気づきなさいよ」というかのように
選んだ本から気付かされることがある。
また本に助けられた。
時代は違うけど、戦前の文豪の本を読んでみたい。
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